全く違うパズルで1つの絵を作るような

typhoon_5162006-09-10


昨日は勝利の余韻にひたる…ことはなく、
朝から軽い二日酔い、出かける気にもなれず
家で一日ゆっくり本を読んだり。
今日は今日で9時ごろ起きるも続きが気になって
ずっと本を読み、昼3時ごろになってから
図書館に行き絵本探し。


本はこのところずっと「ゲド戦記」シリーズ
(アーシュラ・K・ル=グウィン作、清水真砂子訳、岩波書店
を読み続けています。


ゲド戦記 全6冊セット (ソフトカバー版)

ゲド戦記 全6冊セット (ソフトカバー版)


映画がダメダメだったので果たして原作はどうなのか、
というのを確かめるために読み始めたんですが、
読んでると何となく映画の失敗が見えてくる。


もちろん原作は面白く、世界観、物語、登場人物、
どれも魅力的で、特に『影との戦い』で影に追われ
過酷な旅を続けるゲドの描写とか、
さいはての島へ』での死の国の描写なんかは
読んでいて自分の周りの空気が変わるように感じるくらい
素晴らしいんですが、
いかんせん大半が静寂や闇を基調とした描写なので
映画にすると必然的にアクションシーンはほとんど無く、
非常に静かな映画になる(ように思う)。
まぁそれはそれでうまく作れば面白くなると思うんだけど、
おそらく好みの分かれる映画になってしまう。
しかし「ジブリ作品」として世に送り出すからには
好みの分かれるような映画を作るわけにはいかない。
そこで各巻の良いところどりのようなストーリーにして
作ってしまった、というふうに想像すると納得がいく。
そしてごった煮にした結果収拾が付かなくなった。


個人的にはごった煮にせず『影との戦い』か
さいはての島へ』のどちらかを
それのみで映画化した方が、好みは分かれるけど
面白い映画ができたように思う。


影との戦い』はゲドと「影」との戦い、
その追いつ追われつの描写が秀逸で、
特に「海」という果ての無い世界でどこまで逃げても
逃げ切れない恐怖感、そして最果ての海での
「何も無い」世界が無の境地を思わせて非常に面白い。
さいはての島へ』も同じく海の旅の描写が良くて、
さらに「死者の国」の描写も良い。
読んでいるとゲドとレバンノンが死者の国を旅する傍らで
自分が本を読んでいるような気分になるくらい、
「死者の国」の描写が素晴らしい。
最果ての海か死者の国、どちらかを
ジブリの絵で見たかったなぁ…


まぁ、色々と詰まらないことを書き連ねましたが、
原作「ゲド戦記」シリーズはなかなか面白いと思うので
興味のある人は是非。拙者はあと少しで5巻の
アースシーの風』を読み終えるところ。
さぁ〜果たしてどんな結末になるのか、楽しみです。