蟲と映画

typhoon_5162007-03-27


映画『蟲師』を見てまいりました、ついさっき。


同タイトルの原作は「蟲」という不可思議ないきものと
人との関わりを題材に、人間と自然の在り方とか
人間の儚さみたいなものを描いてる作品。
あまりどっぷりのめりこむような作品ではないですが、
独特の世界観と物語の雰囲気に引き込まれる作品です。


で、果たしてこの原作をどのように映画化するのか?
ひじょーに気になるところ。
しかも監督は『AKIRA』(日本アニメの傑作)の大友克洋
アニメ畑の監督が初の実写映画をどのように作るのか、
期待半分、不安半分。
否、正直に言うと予告編を見た限りでは
かなりの確率で失敗に陥る予感がぷんぷんしていました。


で、いざ作品を見てみたら、びっくりした。


本当に失敗してた。


蟲師』の世界はかなりしっかりと再現されてる。
CGでの蟲の再現とか、作品の名シーンの魅せ方とか、
ひじょ〜に巧い。また衣装や小道具をしっかり
ボロボロに着古してるとことか、
俳優さんの演技も原作のキャラの雰囲気になってる。
けど、ストーリーがダメダメだった…。
原作の肝心要の部分を削り取り、
足さなくて良いものを足してしまっていて、
結局原作の描く「人間と蟲の関わり方」を
壊してしまってる。


原作は1話完結のオムニバスなんですが、
映画はその内の数話を繋げて一つの話にしてます。
けどそもそも完結してるもの同士を
繋げること自体に無理があるわけで、
そこを強引に繋げるために余計な話や設定を
足すことになり、原作との差異が大きくなってしまってる。
むしろ全く原作に無い話を新たに作り、
映画用の2時間でまとまるような話にして、
その中で原作の世界を描こうとすれば良かったのになぁ。
せっかく絵作りはできてるのに、勿体無い…。


というわけでまぁ100点満点で言うと、
世界の再現度は100点、けどストーリーで−80点、
計20点、が拙者の評価です。
あまりオススメはしません…